羨ましくも何ともない

去年の末に家の壁にペンキを塗ったことがきっかけで、ついでに絵も描くことにしました。ペンキを塗ったら見違えるように綺麗になるはずが、むしろ壁のボッコボコになっているのが目立ったので、描いてしまえと思ったのです。

隣のおばさんに何か言われたり、大家さんにバレて面倒なことになったらやだなーと思いつつも、取り返しのつかないことでもないしよかろうと思ってやっています。絵は毎日一つづつ増えています。近所の人だけが知っている秘密の活動です。小さなこどもとお母さんが、外で絵の話をしているのが聞こえたりして、楽しいです。

絵を描くことについて「評価されたい」「自由に描きたい」「もっといい絵を描かなくちゃ」「楽しく描きたい」「下手な絵はだめ」「手癖で描いてはダメ」「思ってないことを描いてはダメ」「やりたいことをやれ」などなど、いろんな声がします。自分の中でグルグル回っているこの声は、誰かが言ったことと自分の心が言っていること、両方あると思います。それががごちゃごちゃになって何が大事なのかわからなくなっていました。

それでまず、SNSを辞めました。評価に重きを置く価値観からまず離れることにしたのです。そして、ダメと思っていたこともOKにしました。たくさんの禁止事項を守りながら楽しく絵を描けるはずもありません。好き勝手やった結果、認められるような素晴らしい絵が描けなくても、もういいや。

そして私は「羨ましくも何ともない人」でいようと決めました。特別でもない、センスがいいわけでもない、突き抜けてもいない、何ともコメントしにくい、扱いづらい、羨ましがられる要素のない自分でいよう。そしたらきっと自由です。一見卑屈なようですが、私としては清々しい決意表明です。

壁の絵も、最終的には「たくさん描きましたね!」とかコメントしようのない感じになる予定です。

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