思い出を塗りつぶす

数年前、小学生の金管バンドの指導をしていた時期がありました。指導と言ってもろくに何も教えられず、ただ一緒に楽器を持って過ごしただけでしたが、今でもその時のことを時々思い出します。

私はそのこどもたちと最終的にはまあまあ仲良くなったけど、関係を築くまでにとても苦労したり、自分自身の音楽に対する戸惑いが、教えると言うシチュエーションの中で大発露してしまったりして、やや苦い思い出にもなっています。コンクールで金賞を取る!みたいなことにはアレルギーを感じる。だからといって、自由に楽しくやることが私自身もできていない。そんな感じだったのです。

この写真の木の人形はその中の一人の女の子にもらったものです。しかし、もらったものは色の塗られていない、マジックで顔を描いただけのもの。正直、飾るのも捨てるのもできないで、持て余していました。

それで、色を塗って新しい顔をつけることにしました。ちょっとひどいかもしれませんが、私としては捨てないで決着をつけられてホッとしています。たぶん私は、これをくれた子のことを忘れないはず。(しほ)

 

 

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